名もなき花

高いビルの路地の隅で咲いてる花を見つけた
近寄ってよく見ると　なんとも誇らしげに堂々と咲いている
羨ましいな・・・
こんな場所でも　誇らしく胸をはり　華麗に花を揺らしてる
この広い世界でも腐ってない　決して腐らない
強く深く根をしっかりはって　威風堂々と

日が差さない場所でも　精一杯　存在を証明できる

次の日ボクはじょうろを持って花の前に立ってた
水をたくさんあげよう　輝ける花の少しでも手助けになるように
もし日をたくさんあびてたら　どんな顔？
ボクが日の当たるところへ移してやるのはたやすいことだ
それでもボクはそんなことをしてあげようとは思わなかった
この花の価値が下がるのではないだろうか？
今まで腐らないで　堂々と花を揺らしてた花のことを
値踏みしてるようで

だからボクはそんなことは絶対しないさ
そのかわり毎日水はあげにいく
それでもいいかい？名もなき花よ